現場で専門用語が多用される理由

介護職の現場では日常生活ではあまり聞くことがない専門用語が飛び交うことが珍しくありません。多忙な現場ほど専門用語が多用される傾向がありますが、これは使い慣れている専門用語の方がスムーズに情報を伝達できるためです。一般的に使われている言葉よりも短い専門用語は、ほかの言葉と間違われにくい上に、速やかに正しく伝えられることがメリットです。また、利用者のプライバシーに関する事柄を部外者に知られないための配慮という点も無視できないポイントです。介護の現場においては、緊急対応を要することが起こります。そのような場面でも、利用者のプライバシーをむやみにさらけ出すのはNGのため、介護職に従事している人にだけ通じる専門用語を使うのです。

介護の仕事に就く人なら専門用語を熟知して当然というイメージがありますが、仕事現場で専門用語を使うかどうかはあくまでも介護施設ごとの独自基準で決まります。施設によっては利用者やその親族に不安を抱かせないように分かりにくい専門用語は一切使用しない所もあるので、介護職に従事するすべての人が専門用語に詳しいとは限りません。

一般的な言葉を使うことで介護職に明るく開放的なイメージを持たせる狙いがありますが、その一方で利用者のプライバシーに関する事柄が第三者に知られるリスクも増えてしまいます。仕事の効率化やイメージの向上、利用者への配慮など様々な事柄を考慮して専門用語の使用の有無を決めることが重要です。

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